AE1形の足回りを再用し車体新製した3400形

京成3400形


    

近年の3400形3408

国府台〜市川真間    2006年10月25日




概 要


1993年(平成5年)1月、運用離脱したAE形の足回りや台枠を流用し、普通鋼製の通勤形車両を大榮車輌で新造しデビュー。
1993年2月16日より営業運転に入った。
1995年11月にまでに種車と同数の8両編成5本(40両)が落成した。車籍上は完全新造車ではなくAE形から3400形へ形式変更・改番を行った上での改造となっている。メーカーは全て大榮車輌製。
窓配置を含めた車体形状などはほとんど軽量ステンレス製3700形と同一で、3700形の鋼製塗装版とも言えるが、前面形状が3700形の3面切妻に対し3400形は平面となった点が異なる。塗装は、3200形8M車の試験塗装車の実績を生かしライトグレーをベースにレッドとブルーの帯となり、後に3100形以降の赤電形式も変更した。

編成は3700形と同様で、車両番号3401〜3408が3408編成、3411〜3418が3418編成とし、車両番号の末尾3と6が付随車の他は、乗り入れ先の京浜急行電鉄に合わせ両先頭車を含めて電動車とした(AE形の先頭車は付随車だったが、京急乗り入れのために変更)。都営浅草線、京急線や北総線にも乗り入れが可能である。パンタグラフはAE形から流用した下枠交差式タイプ(PT48形)を末尾2と7の車両の両端と末尾4の車両の片面に配置した。

電動発電機(MG)はAE形流用のCLG-350-Cを付随車に搭載し、空気圧縮機(CP)もAE形から流用したC-2000-Mを末尾1・4・8に搭載した。台車は、付随車がAE形先頭車時代のFS-083を、電動車にFS-383Aを流用したが、3444・3445はAE形時代に制御車から中間電動車化したAE64・AE65のものを流用したため、FS-543B(通勤車化に際しFS-543Aから改造)を装着している。

制御装置は種車AE形からの流用品である東洋製造製の界磁チョッパ制御で主電動機も流用した。その他、種車同様にワンハンドルマスコン・電気指令式ブレーキを採用。定速走行装置は撤去された。マスコン段数は他の通勤形電車に合わせて5段式となり、P1が「起動」(AE形におけるONに相当)、P2が「並列制御」(AE形の50Kに相当)、P3からP5までは弱め界磁制御を行うがこの3400形のみ弱め界磁制御を3段階に分けられるようになっている。ブレーキ段数は従来通り常用5段のままである。運転台のモニタ装置は3700形とは異なり、簡易モニタとなっている。

性能上は3600形に近いが、特徴的なのは、機器の流用元であるAE形が特急車であったがために、低速域の衝動防止のために回生制動の回路を直列に切り替える機構がなく(主制御器自体に直列段がない)、やはり直並列制御を行わず、配線の類似している京王6000系1M車(電動車ユニットを構成しない)などと同様に45km/hで回生制動が失効し、それ以下の速度では空気制動しか機能しないことである。このため、雨や雪の日における滑走時の運転取り扱いには技量を必要とする。

冷房装置は3700形とは異なり、赤電形式や3500形・3600形と同様の集約分散式CU-15Aを3基搭載した。

3700形の鋼製車版として、窓・ライト配置等、ほぼ同スタイルでデビューした3400形3408。

京成佐倉   1993年3月8日  





室内は、平天井構造で冷房使用時の補助送風機にラインデリアを採用したことや、各部配色等は3700形1次車と同様である。3700形1次車との相違点は先頭車に京成通勤車で初の車いすスペースを配置したこと、電動車にモーター点検蓋を設置したことのほか、冷房装置が異なるため室内のフィルター形状が異なる程度である。

3400形3421車内

2007年8月13日

室内も内装色等3700形1〜2次車とほぼ同一。
撮影時はデビューから15年近く経った頃で、シート生地色等変更済だった


3400形では、先頭車に京成初の車椅子スペースを設置した。写真は3411先頭部

京成上野   2008年1月19日


天井部冷房装置直下は写真の様なフィルターを設置している点が3700形と室内の相違点

3434車内にて   2008年1月7日



全編成とも、落成当初は末尾4と5の中間電動車ユニットを除いた暫定6両固定編成で落成し、6両編成の普通運用を中心に営業運転を開始したが、数か月遅れて中間電動車ユニットが落成した後に8両固定編成化した。
そのため、6両固定編成時代は千葉線や千葉急行電鉄(現京成千原線)にも営業運転で入線したことがあったが、時期的な関係上3418・3448編成以外は大森台〜ちはら台間に入線したことはない(後述の事情から3418編成は1999年5〜9月に暫定6両固定編成になり同区間に入線した)。

8両編成となり、都営浅草線直通急行運用に就いた3408

東中山   1993年7月31日





当形式の落成時期別の差異は下記の通りである。

・1993年9月落成の3418編成からは種別・行先表示器の書体に小文字併用英字併記細ゴシック体(ナール)を採用した。前面非常用貫通扉の種別表示器でこのタイプを採用したのは京成では初だったが、2002年10月の種別改正に伴い3500形原形車の3557〜3596以外の全車両で種別表示器の字幕がすべて交換した。行先表示器に関しては同編成が落成する前の1993年6月より3200形6M車の大半で使用されており、3600形でも交換作業が進行中だった。

種別・行先幕の字体が変更となり若干印象の異なる3411

青砥   1994年3月3日

撮影時は暫定6両時代で普通運用に就いていた。


3200形・3300形・3600形と共に6両普通運用に就いた3418編成暫定6両編成時代

京成西船    1993年12月28日


東中山にて優等列車を退避した編成暫定6両編成時代の3418

1994年2月27日


落成直後、暫定6両編成で普通運用に就いた3428

谷津   1994年4月6日






・1995年9月落成の3448編成からは前面に3700形と同様のスカートを設置したほか、発車予告の車外放送、カバン置き、計器盤と前面ガラスの間のゴム、乗務員室仕切り扉のルーバー、車掌台と運転台それぞれの足元部分に暖房器などが追設された。3438編成以前の編成についても発車予告放送以外は後に追設された。






落成後の主な改造・動向等

・3448編成がスカートを設置して落成した直後の1995年11月から、3418編成を皮切りに3408編成〜3438編成についても前面スカート設置工事が行われ、1996年9月の3438編成を最後に設置が完了した。

3408編成〜3438編成については、後にスカートを設置した。写真は3408編成成田方先頭車の3401

京成上野     2007年3月15日


3400形は京急線乗入対応の先頭車M車だったが、当面は自社線・都営浅草線乗入運用のみに使用していた。京急、および北総・公団線に一般運用で乗り入れたのは1998年11月18日の京急線羽田空港駅開業時改正からとなり、以後3700形と共有運用で頻繁に京急線品川〜羽田空港間に顔を出すようになった。

・1998年10月に3408編成についても種別・行先表示器の書体を小文字併用英字併記細ゴシック体に変更した。なお3418編成で1996年初頭から予備品の関係上一時的に旧タイプの字幕を使用していたが、この時期に落成時のタイプに戻された(2002年10月12日の種別を重視したダイヤ改正を行うのに先立ち、同年7月〜9月に当時の京成在籍車は3500形原形車3557〜3596を除き種別幕は変更した)。


・3418編成は、1999年4月中旬〜5月上旬に行った重要部検査時に中間電動車ユニットの3414〜3415の制御装置に不具合が発見された。修理を要することから、1999年5月上旬〜9月下旬に同ユニットを除いた暫定6両固定編成で運用に入った。同編成は、6両固定編成の期間が編成落成で中間電動ユニット未落成時の期間を含めると延べ12か月で、最も長い。

・2001年3月に、従来の'Keisei'ロゴを残した上 'K▼SEI GROUP' ロゴを側面扉横に配した。

・3408編成は、2002年5月末〜8月末に当時の北総開発鉄道に短期リースを行った。これは同社で廃車直前の7050形(京成3150形のリース車両)8両に定期検査期限延期に伴う休車が発生したためである。短期リースのため車両番号や形式、車体塗装等は一切変更せず(Keiseiロゴのみ上から北総開発鉄道のステッカーを貼り付け)にN(北総車を意味する)運用に入った。

・2003年9月〜2004年3月に連結部に3700形6次車以降同タイプの転落防止幌を設置した。それと近時期の2003年〜2005年にパンタグラフを下枠交差式からシングルアームに交換した。

シングルアームパンタグラフに交換したほか、転落防止幌を設置しデビュー時とは若干面影が異なる。写真は3427

京成立石    2008年2月3日



・2003年8月〜2005年10月に客室座席の生地をダークピンク色のものからラベンダー模様入りの色(3700形6次車以降・新3000形などと同色)のものに変更した。

・安全強化の為、2004年4月〜6月に室内照明の蛍光灯を昼白色から白色・飛散防止タイプのものに変更した。

2005年9月から3418編成を皮切りに扉上部のLED式車内案内表示器を新3000形と同タイプに交換する作業が進められている。ただし、カバーは異なる。この案内表示器は千鳥配置とされ、非設置の箇所には広告枠が設けられた。現在、3448編成以外で完了している。

マナー強化のため2006年1月〜2月に優先席付近の吊革をオレンジ色タイプに変更した。


2006年末に、全編成の転落防止幌が一旦撤去されたが、2007年夏以降に全般・重要部検査出場した3408・3418・3428編成で3000形4次車以降同タイプの小型の幌が設置され、他編成も順次同タイプの幌を設置する予定。



近況

足回りが30年以上、初期編成落成から約15年経った現在も3700形と同様に成田空港〜京急線羽田空港間の快速・エアポート快特または快特と終日の特急、朝の上り・夜間の下り快特・通勤特急運用に充当し、優等運用でフル活躍している。

京急線羽田空港へ向かう3418、写真左は京急2100形

品川    2006年10月14日


快速特急運用に就いた3448

京成高砂    2008年1月7日


快速運用に就いた3428

京成立石   2008年2月3日


菅野駅を通過するエアポート快速運用に就いた3411

2007年5月26日









車両データ




車暦表


車号 旧車号 落成 北総リース期間
3401 AE3 1993年 1月 2002年5月〜2002年8月
3402 AE2
3403 AE1
3404 AE23 1993年 3月
3405 AE28
3406 AE10 1993年 1月
3407 AE8
3408 AE9
3411 AE13 1993年 9月
3412 AE12  
3413 AE11  
3414 AE38 1994年 5月  
3415 AE33  
3416 AE20 1993年 9月  
3417 AE18  
3418 AE19  
3421 AE43 1994年 3月  
3422 AE42  
3423 AE41  
3424 AE48 1994年 7月  
3425 AE49  
3426 AE50 1994年 3月  
3427 AE22  
3428 AE29  
3431 AE53 1995年 1月  
3432 AE52  
3433 AE51  
3434 AE58 1995年 3月  
3435 AE59  
3436 AE60 1995年 1月  
3437 AE32  
3438 AE39  
3441 AE63 1995年 9月  
3442 AE62  
3443 AE61  
3444 AE64 1995年11月  
3445 AE65  
3446 AE70 1995年 9月  
3447 AE68  
3448 AE69      






主要機器 



補助電源装置

補助電源装置 搭載車両
CLG350C
(110kVA ・MG)
各編成末尾3,6の車両




空気圧縮機

空気圧縮機(CP) 搭載車両
C-2000M
(2.000l/min)
各編成先頭車、及び末尾4の車両




制御方式・主電動機・駆動装置


制御方式 主電動機 駆動装置 歯車比 搭載車両
界磁チョッパ TDK-8500-A
(140kw)
TDカルダン 84:16 各編成電動車




台車

台車 搭載車両
FS-083 各編成末尾3,6のT車
FS-383 3444・3445を除く電動車
FS-543-B 3444・3445