京成3200形 3290番台 (3291〜3298)







概要




1967年(昭和42年)12月、3200形最終増備車として3291〜3298を新製。1953年以来活躍してきた指定特急車'開運'1600形の代替としてセミクロスシート・WC付(3292・3296の上野方車端山側に配置)でデビュー。

側面はシート配置や、先に指定特急車として営業に就いてた3150形3191〜3194と混結も考慮し、片扉車で3150形同一窓配置でデビューした。その他、塗装や前面レイアウト等は他の3200と同様だった。同グループも3200形両扉車同様に4両を基本とし、3265以降同様に2両ユニット境は狭幅貫通路とし奇数号車に貫通扉を設置した。尚、ユニット境の連結機は分割可能な密着タイプとし、これは後にデビューした3300形でも採用し、3265〜3280でも後にこのタイプに変更したほか、後の更新で赤電形式殆どの車両に行き渡った。

性能は3200形6M車の3221以降同様に、先頭車先頭側台車をT台車とした2両MMユニットで、M台車に100kwの主電動機を搭載した。


メーカーは3291〜3294が日本車輌、3295〜3298が帝国車輌。帝国車輌は1968年3月に東急車輛と吸収合併したため、3295〜3298が京成最後の帝国車輌製となった。






更新前の経緯

AE形増備に伴い1972年5月に3291〜3294編成、1973年5月に3295〜3298編成が、通勤車化改造としてロングシート化・WCの撤去(客室化)を行った。それと近時期に、側客用扉の窓支持方式を黒Hゴムから、金属支持方式に変更した。

更新・冷房化前の3150形方向幕非設置車の3171〜3186・3191〜3194と6両混結編成を組む事も多かったが、3150形が更新終了した1985年以降は後述の更新・冷房化までの間はもっぱら4両編成単独で運用に入った。

1980年2月に3295〜3298、1981年8月に3291〜3294をファイアーオレンジへの塗装変更を行った。


1985年に側面扉開閉確認灯を2灯化、カプセル形一体ケース化した。それとほぼ近時期にアルミ製塗装仕上の室内乗務員扉・貫通扉窓支持を黒Hゴムから太金属支持押さえに変更した。



更新前、ファイアーオレンジ塗装時代の3295〜3298編成

京成立石    1987年8月1日


前面スタイルは他の3200形原形車同様で、アンチクライマー・運転台窓サイズに変化はなかった。







更新・冷房化工事

3200形両扉車6M車の更新が進行中だった1988年(昭和63年)5月に、3291〜3294を更新・冷房化を施工。
同編成は、京成初のVVVFインバーター試験車として改造した。内容としては両端先頭車をTc化、中間車に135kwの主電動機を搭載、完全な4M2T編成となった。制御装置は東急7600系・7700系等で実績のある東洋初期形のGTO素子のVVVFインバーター装置を搭載。台車は改造の上再用した。基本的に4両ユニットとすることから3292にパンタグラフ2台搭載し、3293のパンタグラフは撤去した。補助電源装置として、3291に大容量SIVを搭載し、3294は予備用として5.5kwのMGを残した。CPは3291のみ交流電動化し、3294は直流電動機タイプのままだった。抵抗制御車で更新・冷房化済の3150形と混結し、6両・8両編成組成も可能だったが、実績は1989年初夏に短期間あったのみだった。外観スタイルは、基本的に他の3200形と同様だったが、同編成のみ前面ライトが尾灯と一体ケース角形になった。よって、3291・3294は赤電形式で唯一‘クハ‘を名乗るTc車となった。

3295〜3298は、3200形両扉車6M車の更新が完了後の1989年(平成元年)4月下旬に3297〜3298、1989年6月上旬に3295〜3298といった順で更新・冷房化出場した。こちらは抵抗制御車のままで前面スタイルも他の3200形と同一とし、3200形の片扉車版として注目を浴びた。尚、CPの交流電動機化は行わなかった。この4両をもって3200形全車の更新が完了した。3295〜3298も3150形と混結可能であるほか、VVVF車3291〜3294と混結可能だった。1989年4月〜5月末に更新出場直後の3297〜3298は、相方の3295〜3296が出場するまでの間、3150形3155〜3158の上野方に連結し異形式混結6両編成が組まれた。


その他、更新内容は3291〜3294編成・3295編成〜3298編成共に、平行して行われてた3200形6M車両扉車と差異はなかった(外観はヘッドライト・尾灯を腰部に設置、上部左右に急行灯を設置、上部中央に行先のみ表示の40コマ方向幕を設置したほか前面貫通扉を種別幕付ステンレス製のものに変更。側面に種別・方向幕の設置。室内はユニット間の妻窓廃止。側窓をユニットサッシュ化。先頭車乗務員室扉アルミ製塗装仕上左右開閉タイプからステンレス製引戸交換したことから、先頭車中間埋込時、乗務員室と運転室両方を仕切れる構造に変更。室内は天井・壁面・扉点検蓋等を無塗装化し、壁面デコラを従来のベージュ色から3500形同様にイェロークリーム色に変更、天井面はホワイトのデコラ貼仕上に。ユニット境奇数号車にあった貫通引扉をアルミ製塗装仕上のタイプからステンレス製無塗装に変更。乗務員室扉を暖房装置を反射形とすることから座席下掛面をステンレス化。室内蛍光灯のうち4本を停電時の予備灯兼用とし、予備白熱灯を廃止。冷房化は各車3〜4台分散形冷房装置を搭載、補助電源装置の大容量化、室内ファンデリアを撤去し冷風撹拌用として東芝製首振扇風機の設置等)。

側窓は、片扉車では唯一ユニットサッシュタイプとなり、独特な印象を与えた。

又、1988年〜1989年に他形式で行われてた室内の吊り革を扉前・枕木方向に増設は、8両共に更新時に行った。

更新後は、3291〜3294編成が1989年6月〜7月に、3150形3187〜3188と混結した以外は、特異な車種とされた為、もっぱら4両編成単独で運用した。






更新・冷房化と共にVVVFインバーター試験車となった3291〜3294編成

京成稲毛   1991年5月6日

前面の角形ライトが他の3200形と異なり特徴的だった。



抵抗制御車のまま更新を行った3295〜3298編成

千葉中央   1990年3月23日

前面スタイルは、他の3200形同様とした。





更新後の3293車内

2001年12月26日

車内の配色等は3200形6M車両扉車とは殆ど変化はなかった。


3200形は、更新時に側窓のユニットサッシュ化を行い、片扉車の3291〜3298も行った。
両開車と窓サイズが異なってた為独特な印象を与え,近似形だった3150形更新車と相違点の一つだった。

3297車内    2007年2月14日







3296側面

千葉中央     1990年3月23日

側窓ユニットサッシュ化し、戸袋窓と高さが異なるのが特徴、








更新後の経緯


1994年4月に3291〜3294が、1994年12月に3295〜3298が現行標準色のライトグレーベースにレッド・ブルー帯に塗装変更を行った。

1996年12月に、3294で3050形の廃車発生品を使用することによりMGを75kwのものに変更したほかCPを交流電動機タイプのものに交換した。

2001年3月に、従来の'Keisei'ロゴを残した上 'K▼SEI GROUP' ロゴを側面戸袋窓上に配した。

安全強化の為、在籍していた3295〜3298については2004年4月〜6月に室内照明の蛍光灯を昼白色から白色・飛散防止タイプのものに変更した。

マナー強化のため在籍していた3295〜3298については2006年1月に優先席付近の吊革をオレンジ色タイプに変更した。








塗装変更後の3291〜3294編成

検見川   1994年5月15日




塗装変更後の3295〜3298編成

海神  1995年2月17日







2003年以降、廃車までの動向


2003年4月、3293にてVVVFインバーターで不具合が生じ、3293〜3294は当面修理休車に。同年5月〜6月の間、3291〜3292で暫定的に2両ユニットに分割し、成田方から3291〜3292+3295〜3298といった6両編成を組み運用に入った(同年7月上旬に3293〜3294が復帰したのに伴い4両編成2本に戻された)。VVVF車と3295〜3298の混結は最初で最後だった。

3291〜3294編成は、VVVFインバーター初期形で、前述以外にも不具合が多く生じ、部品調達も困難な事から、他の3200形6M車が開始された直後の2004年1月に3200形8M車と共に廃車となった。


2004年以降、3295〜3298編成が京成通勤形車両唯一の片扉車として4両普通運用で活躍を続けた。

2006年10月28日、都営浅草線馬込検車区にて行われた都営フェスタに3295〜3298編成が、消滅間近だった都営5200形や北総7000形等と共に並べられた。同編成が、更新・冷房化後4両単位で都営浅草線内に入ったのは最初で最後だった。

都営フェスタで、京成車代表車両として晩年の3295〜3298編成が並べられた

馬込検車区    2006年10月28日 (2枚共)






3295〜3298編成で、2007年1月28日に‘開運 ‘ 復刻イベント運転する為、同編成はデビュー時のモーンアイボリー+ファイアーオレンジにミスティラベンダー帯の塗装に戻し(デビュー時の帯のステンレス枠は、シルバーグレーの縁取で再現)、 同年1月17日よりリバイバルカラー編成として他の4両に混じり運用に入った。これと同色のリバイバルカラーは1994年10月〜1995年2月に3050形3059〜3062編成でも行われ、それ以来12年振だった。
イベント終了後もリバイバルカラー編成として4両普通運用に入っていたが、2007年3月に廃車となり、京成の通勤形車両で片扉車は消滅した。

又、3295〜3298の廃車により帝国車輌製の車両は、京成から消滅した。


リバイバルカラーとして活躍した3295〜3298編成

2007年1月18日





廃車後、宗吾車両基地内にて解体途中の3298先頭車

2007年6月24日

3295〜3298編成が正式廃車となってから約3ヶ月後に撮影。3295〜3297は解体済で上野方先頭車の3298ボディのみ残っていた。扉や方向幕、ライト等は撤去済だった。








車両データ




車歴表


製造〜1987年

車号 製造 メーカー 通勤車化 塗装変更1
3291〜3292 1967年12月 日本車輌 1972年 5月 1981年 8月
3293〜3294
3295〜3296 1967年12月 帝国車輌 1973年 5月 1980年 2月
3297〜3298



1988年〜廃車

車号 更新・冷房化 塗装変更2 備考 廃車
3291〜3292 1988年 5月 1994年 4月 更新時VVVF制御化、3291・3294Tc車化 2004年 1月
3293〜3294 1988年 5月
3295〜3296 1989年 6月 1994年12月 2007年1月、デビュー時の塗装に変更
2007年 3月
3297〜3298 1989年 4月


※ 塗装変更1 : ファイアーオレンジベースにモーンアイボリー帯
※ 塗装変更2 : ライトグレーベースにレッド・ブルー帯の現行標準色











主要機器 (以下は廃車時のものを示す)



駆動装置・主電動機 

制御方式 駆動装置 歯車比 主電動機 搭載車両
抵抗制御 TDカルダン 78:13 TDK-816-A
(100kw)
3295〜3298 
GTO素子 VVVFインバーター TDカルダン 79:13 TDK-6110A
(165kw)
3292・3293


※ 3291〜3294の主電動機は、抵抗制御だった更新・冷房化工事前は、3295〜3298同様にTDK-816-A を使用。




台車 

台車 搭載車両
KS-121-A 3295〜3298
KS-121-MA 3292・3293
KS-121-MT: 3291・3294


※ 3291〜3294は、抵抗制御車だった更新前の KS-121-A を改造のうえ上記に変更。





空気圧縮機 (先頭車に搭載)

空気圧縮機(CP) 搭載車両
AC-1000
(1110 l/min)
3291・3294
C-1000
(1180 l/min)
3295・3298


※ 更新前は、全て C-1000 を搭載。
  3291については更新時に C-1000 の電動機を交流化することにより AC-1000 に変更。
  3294は、更新後も C-1000 を使用してきたが、1996年12月、3050形の廃車発生品を再用することにより、AC-1000に変更。




補助電源装置 (先頭車に搭載)

補助電源装置 搭載車両
CLG-355-B1 (75kVA ・ MG)
3294・3295・3298
INV022-A0 (140kVA ・ SIV) 3291


※ 更新前は、全て CLG-319(5.5kVA/MG) を搭載。
※ 3294は、更新後も CLG-319 を使用してきたが、1996年12月、3050形の廃車発生品を再用することにより、CLG-355-B1に変更。












車両アルバム







VVVF試作編成となり約2年が経過した頃の3294

八千代台    1990年8月3日
      





















ファイアーオレンジ塗装時代のVVVF試作編成、3294

幕張本郷   1993年3月






















ファイアーオレンジ塗装時代の3291

船橋競馬場        1991年8月26日



























千葉急行1000形と並んだファイアーオレンジ色時代の3298

みどり台   1992年4月26日

























塗装変更から間もない頃のの3294

京成小岩    1994年6月4























 

最後の片扉車として活躍した、晩期の3295〜3298編成

市川真間     2006年10月9日





















広い窓を持った3295の片

京成上野   2006年5月23日

京成の片扉も3295〜3298の廃車をもって消滅し、関東大手私鉄通勤形車両で片扉をもつ車両は京急のみとなった。

























リバイバルカラーの3295〜3298編成

京成上野   2007年2月25日


























リバイバルカラーの3295〜3298編成のサイドビュー

京成上野   2007年2月25日
























リバイバルカラー時に撮影した3295車内

2007年1月18日

























総7300形とすれ違う リバイバルカラーの3295〜3298編成

京成高砂    2007年1月18日

























リバイバルカラーの3295〜3298編成は‘開運‘復活イベント時から廃車時までの間、室内に同編成を中心とした写真が掲げられた。

3298車内    2007年2月25日